こんにちは。編集部タヤです。今回は「ビジネス書」について書いてみたいと思います。
皆様はビジネス書と聞いて、どんなイメージを持たれるでしょうか。
カタカナ語が多い、専門用語が多い、勤め人や経営者のための本、売り場には男性ばっかり。。。
とっつきにくい印象を持たれる方も多いと思います。かくいう私もそうでした。自分にはあまり縁がないかもな。。。
今でこそビジネス書を作り、メルマガでもビジネス書について書いている私。ですが、20代半ばくらいまでは、ビジネス書とは無縁の生活をおくってきました。そもそも出版界に入ったのも、じつは児童書が作りたかったから。児童書でなくても、人文系の本を作りたい、という気持ちが強かったわけです。
だから、ビジネス書を担当することになったとき、「自分なんかに務まるんだろうか?」「いちばんやりたくないジャンルだなぁ」「いまいちやる気がでないなぁ」「入りたい世界と真逆の世界に入ってしまった。。。」大げさかもしれませんが、そして明らかに甘えなのですが、当時は、そんな気持ちになってしまったのです。
実際、最初は企画を立てるのもしんどかった。本屋に行ってもちんぷんかんぷん。知らない単語のオンパレード。だから立てる企画も企画のための企画。そんなものは見透かされるので、とうぜん通りません。焦りや苛立ちを抱えながら過ごす日々が続きました。そんななか!!忘れもしません。半蔵門山下書店。ビジネス書コーナーで一冊の本に出会います。
いまや累計15万部のベストセラー。いわゆる発想術、マーケティングの本なのですが、装丁がなんともゆる〜い佇まいで、当時のゆとりのない自分のこころにすっと入ってきたのです。
さらにオビコピー「考えるための道具、持っていますか?」まさに悩める心をわしづかみ!内容もとにかく読みやすい。読みやすいだけでなく面白い。あっという間に読み終えました。
ビジネス書のど素人だった私は、この本でマーケティングや発想法など、たくさんのことを〝初めて〟学びました。その一つ、カラーバスという手法が紹介されてます。
「色を浴びる」という意味なのですが、例えば、朝家を出る時に、「今日は赤をラッキーカラーにしよう」と決める。そうするといたる時、いたる所で赤が目につくようになる。これはつまり、「見える」から「見る」への変化なのですが、これが当時の私には目から鱗だった。このカラーバスのマーケティングへの活用についてはここでは書きませんので、興味のある方は是非『考具』を読んでみてください!
意識の仕方ひとつで世界は変わる。まさにそのことに気が付いたのです。つまり、企画のタネは、実は日常のなかにたくさんある、ということに気が付いたのですね。そして、ビジネス書に対するへんな偏見もなくなりました。
ビジネスと書くと難しいけど、基本は人の役に立つことでその対価を得る、ということ。役に立つということは、困っている人がいて成り立つ。別の見方をすると、世の中は人の感情に満たされていて、ビジネスはそんな人間の感情と無関係ではない。
ビジネス=人間そのもの
ビジネス書の企画=人間観察
そんな視点で日常を見ていくことで、自然と企画のタネは集まる、そう思えるようになり、そこからは企画を考えるのが楽しくなりました。つまり、人にフォーカスすることで、ビジネス書が無機質なノウハウ本から、体温のある、血の通った温かい読み薬というような位置付けに変わっていったのです。人間臭いジャンル、そういうことです。
ビジネス書をつくることは、人間の人間らしさを観察することになる、そんな風に思います。なんだか取り留めのない話になってしまいました。こう書いてきて改めて思うことは、自分だけ儲ければ良いというような匂いのする本がめっきり減ったこと。共生、貢献、繋がり。他者への想像力、思いやりに満ちた本が増えてきていることを感じます。
あるベストセラー作家さんに取材した際に絶賛されていた『ハートドリブン〜目に見えないものを大切にする力』(塩田元規、幻冬舎)
なんかを読むと心からそう思います。ビジネス書は流行歌と同じような、世の中の潜在意識を示してくれる、そんな貴重な存在だと思います!!
長々と書いてしまいましたが、そんな言葉で閉めたいと思います。
ここまでお読みくださり、ありがとうございます!!